⏳読了時間:約7分
はじめに
ソニーの元経営者である平井一夫氏の著書『仕事を人生の目的にするな』を要約した記事です。今回は「後悔の少ない人生を送る方法」について、実際に企業のトップとして活躍した著者の視点から学びます。
私自身、仕事とプライベートのバランスに悩み、「このままでいいのか」と考え続けた時期がありました。この本は、そんな悩みを抱える全てのビジネスパーソンに向けた、実践的な人生設計のヒントが詰まっています。
現代社会における「正解」の不在
かつては、結婚して安定した仕事に就くことが「幸せ」という一般的な考え方がありました。しかし今は、副業やフリーランスといった働き方を選ぶ人、仕事よりもプライベートを優先する人、結婚や子育てに対する考え方も多様化しています。
AIの進化もあり、様々な生き方が可能になった現代。選択肢が増えることは良いことですが、「何を選べば良いのか」迷いやすくなっているのも事実です。
正解が分からない時代だからこそ、自分が何を大事にしたいのかを知り、自分軸で生きていくことが重要になります。
後悔のない人生を送るための実践的方法
自分の優先順位を把握する
著者は、優先順位を立てることが人生において最も大事なことだと指摘しています。限られた時間を使って後悔しない自分らしい人生を送るためには、自分の優先順位に従って行動することが重要です。
多くの人は優先順位があっても、それが曖昧になっていることが多いものです。例えば、優先順位が高くないのに惰性で仕事やゲームばかりしていることはありませんか?
優先順位は時間と共に変化します。入社した時は仕事の優先順位が高くても、3年後には趣味の方が優先順位が高くなったり、子供が生まれてからは家族と過ごす時間の優先順位が高くなったりします。
実践のヒント: 今日から自分の優先順位を確認し、本当に大切なものから時間を使うよう心がけてみましょう。私自身、仕事に追われる日々から一度立ち止まり、自分にとって本当に大切なものを書き出してみたことで、時間の使い方が大きく変わりました。
仕事を人生の目的にしない
著者は、優先順位の一位に仕事を持ってくることをやめた方が良いと助言しています。仕事は自分の人生を形作る要素の一つでしかありません。
仕事は絵の具の一色でしかなく、その一色で人生というキャンバスを全て塗り切ってしまうよりは、家族や趣味、友達、恋愛、遊びなど、様々な色を足していった方が面白みがあります。
また、仕事が全てになってしまうと、定年退職した途端に仕事以外に何もやることがなくなり、自分の人生を見失いかねません。
著者は、会社とは時間を捧げる雇用契約の取引相手だと考えています。割り切って給料分くらいは稼ぐつもりで一生懸命働き、会社に貢献したらさっさと退社して自分の好きなことに時間を使った方が良いのです。
実践のヒント: 毎日の仕事が終わった後、少しでも自分の好きなことに時間を使う習慣をつけましょう。例えば、週に一日だけでも「仕事のことは考えない日」を作ってみてはどうでしょうか。
優先順位が分からない場合の対処法
自分の優先順位がわからない時は、それが失われた状態や叶わない状態を想像してみましょう。
例えば、仕事、ゲーム、筋トレ、サウナ、家族との時間、健康、美容などが失われた状態を想像してみて、「これがすごく困る、苦しい、悲しい」と感じたら、それは優先順位が高いということです。逆に「別に気にならないかも」と思うなら、実はそれほど自分にとって大事ではないということになります。
実践のヒント: 具体的に「もしこれができなくなったら」というシミュレーションを紙に書き出してみましょう。私もこの方法で、思っていたより友人との交流が自分にとって大切だと気づきました。
周りに流されないこと
最も良くないのは、優先順位をつけずに周りに流されることです。流されるままに生きて気づいたら50歳、60歳になり、「自分の人生何だったのだろう」と思いたくないでしょう。
先輩や社長から「仕事を最優先するべきだ」「正社員になるべきだ」と言われたり、親から「結婚するべきだ」と言われたりしても、最終的には自分で考えて決め、自分で責任を取る生き方の方が後悔が少ないと言えます。
周りに流されて選択すると、うまくいかなかった時に誰かの責任にしたくなりますが、自分で決めて失敗すると自己責任でしかないため、痛みも大きいですが、勉強にもなります。
実践のヒント: 他人のアドバイスは参考にしつつも、最終決定は自分の価値観に基づいて行いましょう。私も一度、周囲の意見に流されて選んだ仕事で後悔した経験があります。自分の直感を信じることも大切です。
仕事とうまく向き合う方法
専門性を磨く
学生の頃と違い、社会人になったら他の人ができないような専門性を高め、自分にしかできないことを増やしていくことが重要です。そうすれば給料も高くなりますし、社内で必要とされるため、仕事が楽しくなりやすくなります。
会社からすると、代えの効かない人材は貴重であり、辞められると困るため、待遇も良くなる傾向があります。著者も「海外法務」という専門知識を深めることで、社内で頼られる存在になり、仕事へのモチベーションが高まったそうです。
実践のヒント: 自分の会社や業界で、需要があるにもかかわらず専門家が少ない分野を見つけて、その知識やスキルを積極的に身につけましょう。私も社内でデータ分析の専門家として認められるようになってから、仕事の幅が広がり、やりがいも増しました。
新たな挑戦や体験でリフレッシュする
仕事は基本的に同じことの繰り返しなので、だんだんマンネリ化してきて「つまらない」と感じる時が誰にでもあります。
著者は、マンネリを感じたら仕事の頑張り具合は変えずに、仕事以外の時間で新たな挑戦や体験をしてリフレッシュさせることを勧めています。旅行、スポーツ観戦、ライブ参加、新たな趣味への挑戦、引っ越し、通勤手段の変更など、小さな変化でも効果があります。
実践のヒント: 週末に普段行かない場所へ出かけたり、新しい趣味に挑戦したりしてみましょう。私も仕事に疲れた時期に始めた料理教室が、思いがけないリフレッシュになりました。
いつでも転職できる状態を維持する
いつでも転職できる状態であれば、今の会社が合わなくても気持ちに余裕が生まれます。逆に「ここしか居場所がない」と会社に依存している状態だと、会社の言いなりになってしまい、嫌なことも断れなくなります。
ただし、転職はあくまで最終手段です。会社はお金と時間をかけて自分を採用し育ててくれているため、できるだけその恩に答えるために、しばらくは今の場所で頑張るという意識も大切です。
実践のヒント: 定期的にスキルアップの機会を探し、業界のトレンドをチェックしておきましょう。私も年に一度は自分のスキルセットを見直し、必要であれば新しいことを学ぶようにしています。それが自信にもつながります。
コントロールできないものを軽く見る
著者が健全なメンタルを維持するために大事にしていることの一つが、自分ではコントロールできないものを軽く見ることです。
自分でコントロールできないものとは、結果、過去、天気、身長、廊下、病気、死、ニュース、事故、他人などです。これらはどれだけ悩んでもどうしようもできません。
その代わりに、自分でコントロールできる「自分の行動」「自分の取り組み方」「自分の選択や決断」「考え方」に集中した方が良いのです。
著者は、トラブルが起きた時も騒がずに、自分でコントロールできることなら対策を、できないなら別のプランを即座に考えられる人ほど成果を出せると言っています。
実践のヒント: 何か問題が起きた時、「これは自分でコントロールできることか?」と一度自問してみましょう。できないことに悩むのではなく、できることに集中することで、ストレスが大幅に減りました。
まとめ
現代は生き方や働き方が多様化し、一つの「正解」と言える生き方は存在しません。だからこそ、自分は何をしたいのかを自問し、自分軸で生きていくことが重要です。
具体的には:
- 優先順位をつけて大事なことから順番に時間を使う
- 仕事が人生の全てにならないよう注意する
- 優先順位が分からない場合は、それが失われた状態を想像してみる
- 周りに流されずに自分で選択する
- 専門性を磨いて職場で必要とされる存在になる
- 仕事以外の時間で新しい刺激を取り入れる
- いつでも転職できる状態を維持する
- 自分でコントロールできないものは軽く見て、コントロールできることに励む
著者である元ソニー社長の平井一夫氏自身が、新人の頃から「やるべきことを終えたら定時で帰る」というスタンスを貫き、家族と過ごしたり、趣味を楽しんだりすることを優先してきたという事実は、多くのビジネスパーソンにとって励みになるのではないでしょうか。
私自身、この本の考え方を取り入れてから、仕事に対する見方が変わり、日々の生活の充実度が格段に上がりました。皆さんも、ぜひ自分にとっての「優先順位」を見つめ直し、後悔のない人生を送るための一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。